カナダの医療事情①の続きです。
https://kfromtokyojapan.blogspot.com/2022/12/blog-post_21.html
では、もう一度最初の最初に戻って考えてみます。
さあ、留学生が急に病気、けがをしました。結局どうすればいいのでしょうか?これもTにそのまま聞いてみました。
「個人の考えで違うと思いますが、風邪などでは自宅で療養すればいいでしょう。けが、急病であればER(リッチモンド病院)に行くのがいいでしょう。もしも歩けないほどの状況であれば911に電話をするのが良いでしょう。」ということでした。
整理すると、緊急事態は911やERが担当します。しかし、そこまでの緊急性がなければ本来ファミリー・ドクターが担当するところですが、そこが現実問題としてうまく機能していないので、ウオークイン、さらに政府肝いりのUPCCが選択肢となりえます。
さて、次にMSPについて改めて整理をしていきます。
結局MSPという保険ってどこで出番があるのかTに聞いてみました。
「MSPはすべての医療機関での基本的な治療費をカバーしてくれます。しかし、薬代、歯の治療、救急搬送代、視力検査、眼鏡代、ギブス、つえ、車いすといった補助器具、病気などに直接関係のない診察代、診断書などの書類代、病院の駐車代などは対象外となります。」とのことなのですが、ここでTが衝撃的なことを言います。
「私自身はきちんと自分の健康管理ができているので、MSP以外の保険に入っていません。現在私は歯科検診、視力検査と眼鏡代くらいしか医療費はかかっていないので、計算をしてみると、MSP以外の保険に入り、こういったコストをカバーするよりも、実際にかかるコストをそのまま支払った方が安く済むからです。」とのことです。
な~んだ、カナダ人にとってMSPでカバーされない医療費というのは生活に影響があるような大きな出費ではないようです。
隣国のアメリカでは、医療サービスはびっくりするほど高額だということは有名な話ですが、私は、隣国同士、英語圏同士のアメリカとカナダはなんだかんだ言って、きっと似たようなシステムなんじゃないかと思い込んでいましたが、とんでもない勘違いでした。
ほっと安心したところで、さらにTが続けます。
「BC州では、BC Pharma
Care という制度があり、申請をすれば、収入に応じて薬代、歯の治療が無料で受けることができます。」とのことです。厳密にいうと、まずは一度治療施設で支払いをし、後に行政機関に返金の申請をする、というシステムのようです。
BC州では、低所得者が薬代、歯の治療が受けられないということが長年社会問題とされてきました。このBC Pharma Careという制度もそういった問題に抜本的解決を狙った施策のようです。
今まで何度も感じてきたことですが、カナダは日本やアメリカと違ってすべてにおいてものすごい勢いで変化し続けています。その急激な変化ゆえに新たな課題が発生し、その課題の深刻さ、担当部署の意識の在り方で、突然今までのシステムが変わります。
日常的に急な方向転換を繰り返す船に乗っていると、国民全員で船酔いしそうな気がしますが、リッチモンドの友人たちを見ていると、その変化にも慣れっこで「あら、また変わったのね。」と日常の光景の一つとしてとらえているようにも見えます。もしくは、祖国中国を離れ、最終的に遥かカナダにたどり着き、ここで暮らす彼らは、私たちが想像ができないほどの荒波に何度となく翻弄されてきて、むしろ私のようにカナダの制度が流動的であることに戸惑っていること自体が不思議に映るのかもしれません。
今回の2回にわたってのカナダの医療事情①②の執筆に関しては、私が所属するリッチモンド・フレンドリーというトーストマスターズ・クラブ(英語でスピーチ力、コミュニケーション力を磨くクラブ)の会長のTが、長い時間をかけて、客観的な事実をもとに、丁寧に私の疑問にこたえてくれました。トーストマスターズとは、普通の勉強会とは違い、クラブのメンバー同士が信頼関係を築き、お互いを助け合い、リスペクトしながら真のコミュニケーション力を磨いていくことができるクラブです。
リッチモンド・フレンドリーはいつでもゲストを歓迎します!ご興味のある方、ぜひ一度見学にいらしてください!
お問い合わせはこちらまで⇓
richmondfriendlytoastmasters@gmail.com
(メールアドレスをコピペして使ってください。)
**Special thanks**
リッチモンド・フレンドリーの会長のTはもとより、保護者会の会長のC、資金調達委員会の会長のE、医療施設で勤める立場でいろいろアドバイスをくれたC、息子が通う高校の生徒のFといったカナダ人の方々、および、バンクーバー在住のビザ・コンサルタントのM、リッチモンド・フレンドリーのリッチモンド在住のメンバーのK、バンクーバー在住で会社経営者であるHといった日本人の方々、情報提供をしていただき、本当にありがとうございました。
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